アルスター通信(ドイツだより) Alster Nachrichten |
第 16 号 2001年6月1日発行 発行人: 吉野 輝雄 |
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● Alteslandへ
Wisch灯台→
2001年5月12日(土)5:15am起床。Wochenendekarteを買う(南ドイツ旅行の時のICE遅延払い戻し券を利用したのでいわば無料チケット。Gott sei Dank !)。5:59amDamtor駅からS-BahnでNeugnaben駅へ。駅前発車のバス(土曜は午前中3本のみ)でJorkへ。沿道の古い大きな農家の家がAlteslandに来たことを告げている。
7:30amに到着したJorkの町の中はさすがに人出がない。果樹園の方向に向かって歩き始める。Altesland Museumの庭で朝食。リンゴの花が満開で一番美しい時だ。果樹の直売店も開店前。西端まで歩き、リンゴの果樹園を見ながらエルベの岸辺へ。堤防からの 果樹園の眺めが素晴らしい:陸の方はリンゴ園と伝統的な農家の家並みが、川の方はヨットハーバー。エルベ川の水の上を走って来た風が実に爽やかだ。
*アルテスランド(Altesland)の果樹園について:「アルスター通信第15号」
Gruenendeich灯台→
堤防を下流方向に歩き、Gruenendeichへと向かう。まず赤白縞のWisch灯台が段々近づいてくる。リンゴ畑に囲まれた灯台は Alteslandに相応しい。さらに15分位歩いて行くと、今回見たいと思っていたGruenendeich灯台の前に着く。白壁に2本の茶色の線が描 かれた家の屋上に灯台がのっていて、なんともかわいいらしい灯台だ。家の中で婦人がコーヒーをわかしているのが見える。そこからすぐ近くのLueheの フェリー乗り場にもう一つの灯台があった。こちらは機能だけのつまらないデザイン。Luehe川の跳ね橋を渡るとそこがStade行きのバス停であった。 10:20am。やれやれ予定のバスに間に合った。
20分の待ち時間があったので休憩所でコーヒーとBismark(生ニシン)のサンドイチを注文。バスがStade駅に到着したのが11:04。 11:05発の電車に間一髪で間に合う。もしも5秒ステップに足を乗せるのが遅かったら(実際、純子が乗り終えた直後にドアがバタンと閉まり足が挟まれそ うになった)、この後のスケジュールは全て狂ってしまっただろう。Gott sei Dankとはまさにこのことだ。
Groden灯台→
Cuxhaven行きの電車の窓から見える菜の花畑が黄色のじゅうたんのようできれい。Cuxhaven駅前の陸地側に白黒のGroden灯台が見 えた。1時間でCuxhaven駅に到着し、すぐに港に行くバスを捜したがどこにも発車ポールがない。タクシー乗り場も見つからない。どうしたものかとう ろうろしたいたところ、タクシーがちょうど交差点に止まり、純子が手を挙げるとOKのサインが返って来た。やれやれ。Alte Liebe波止場へと向かう。ところが以前来た時に確認していた沿岸は工事中で船の発着場が見当たらない。もう一つ手前の波止場に移ったと親切な運転手が 言う。確かにそれらしい船が停まっている。12:30出発8分前に到着。もしも駅から歩いていたら間に合ったかどうか?Gott sei Dank。
因みに、この船の出港と帰港時間は潮の満ち引きで毎日変わる。満潮時間に合わせて船が出、干潮時間には干潟を馬車がNeuwerk島まで送ってくれるようになっている。
Cuxhaven・Alte Liebe灯台→
Neuwerk行きの船MS Flipperの今日の乗客数は定員の約80%。以前訪れたCuxhavenの古い灯台を左に見ながら出港。昔の標識Kugelbakeを左岸に見ながら船が進んで行く。船が浅瀬に近寄らないように簡易の灯台?が何本も航路沿いに立っている。遠くにGrosser Vogelsandの海上灯台が見えて来た。この灯台はHelgoland行きの船の航路に立っていて、屋上にヘリポートがあるとてもユニークな灯台だ。しかし、カメラには遠すぎる。もう一人の灯台ファンがさかんにレンズを向けていた。気持ちがよくわかる。
Kugelbake 海上灯台 Grosser Vogelsandの海上灯台
1時間半でNeuwerkの港に到着。岸辺にはたくさんの海鳥が群がっている。野鳥保護地域なのだ。赤いくちばしのAusternfischer (都鳥)も肉眼で見える。島の大部分は緑の牧場になっていて馬がゆったりと草を食べている。休暇用のホテル/ペンションが何軒か見える。
歩いて島の中心に立つ独特な四角柱の家型の灯台へと向かう。途中一服するために寄ったレストランでは注文した飲み物が1時間近く経っても来ないのでキャンセル。これがきょう唯一不愉快な体験であった。
灯台の立つ広場へ。まず自然保護協会の家に入り、島の自然環境の展示を見ながら係りの人と話す。とてもFriendlyだ。Neuwerkはハンブルク州立自然公園で一帯が保護地域となっている。海鳥の絵ハガキ、ポスター代は寄付として払ってと言われ納得する。
Neuwerk灯台と自然保護センター センター内の海鳥のジオラマ(中央が都鳥)
間近かに見えるNeuwerk灯台を周囲からカメラに収める。その中で池に写った灯台がきょう最高のアングルであった。
池の前のベンチに船で会った灯台ファンのおじさん2人が座っていた。「最高の眺めだね」、と互いに挨拶。通ずるものがあった。灯台の上にも階段で上る。島全体が一望できる。
都鳥(Austernfischer)が見える
3時間の滞在時間がまたたく間に過ぎてしまう。島北側の緑一面の牧場の中を歩いて船着き場へ向かう。そんな所を歩いているのはわれわれ2人だけだ。何と野ウサギがたくさん飛び跳ねている。また、Austernfischerが 10m先で地面下の餌をつついている。十分な時間的余裕をもって船に乗れた。満ち潮の海をCuxhavenに戻る。日差しが強く、ここですっかり日焼けする。18:25到着。せっかく魚港に来たのだからと考え、港近くの魚レストランに入る。初鰹ならぬMai Scholle(5月のカレー)とUberrashung Teller(4種の魚フライ)を注文。安く美味しかった。
問題は帰路の列車であった。19:12発のHamburg直行の列車は出た直後だった。そこでBremerhaven経由で帰ることにする。しかし、Bremenでの乗り継ぎに1時間待たねばならず、結局22:40 Bremen発の電車となり、帰宅したのが24:00。やれやれ1日、よく遊んだものだ。しかし、爽やかな自然に触れ念願の灯台を見ることができ真の意味でGott sei Dankの一日であった。
Gott sei
Dankは、もともとは「神さまに感謝」という意味であるが、日常生活では「やれやれ」「よかった、よかった」といった意味で使われる。
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