クリスマスのご挨拶 「ア ルスター通信 第26号」 26.12.2001発行
一巡りの1年を送った今、 |
私どもにとってこの1年間ほど新たな経験と変化に満ちた年はなかったように思います。前半のドイツ体験と帰国後の出来事をお伝えします。
<ドイツ体験>
昨年のクリスマスは純子が青山学院を早期退職し、ドイツのハンブルクで特別研究期間を送っていた私のもとに来た直後で、共にハンブルクとキールで 幸いなクリスマスを過ごしました[*]
2001年の新年は南ドイツへスキー旅行。ドイツの冬は暗く寒いと言われ実際そうであったのですが、どういうわけかそのことがいま実感として思い 出せません。白い雪の色と寒風吹きすさぶバルト海沿岸の灯台を見に行った時に飲んだ暖かいスープだけが思い出されます。
3月には日本から知人の娘さんが語学研修に来て一緒の時を楽しみました。また、旧い造りの農家の家でThiem教授の研究室員20人余と合宿セミ ナーをしたことも忘れられない経験です。4月末にSchauer教授の故郷南ドイツWinterbachに純子、キールの友人らと訪ね、公共パン焼きとメ イポール立てに立ち合った時はすっかり興奮し、その町の親切な人たちとの出会いを感謝しました。春から夏にかけての日々は、研究とゲストハウス近くの植物 園の花を純子とデジカメ片手に巡っている中に飛ぶように過ぎて行きました。
夏は、日本からまき子の他数組の訪問客を迎えてはハンブルクと周辺を案内、また、帰国荷物の郵送、オランダでの学会発表と目が回るほどでしたが、 どれも心躍る経験でした。そして8月28日に許されたリーブを終え無事日本に帰国しました。振り返ると純子も私も病気一つせずに異国で過ごせたことはほん とうに幸いでした。
今度の滞在では、ハンブルクと北ドイツの海岸に親近感をもち、1年間通った日本語福音キリスト教会員の方々と親しく交われたことも感謝でした。な お、この間のドイツ体験はホームページ「アルスター通信」に掲載してあります[*]。
<帰国後 2001年9月から>
さて、帰国後、ICUでの多忙な仕事に適応すべく新たな生活リズムを整えようとしていた矢先、9/11にアメリカで同時多発テロ事件が起こり、 21世紀に対して抱いていた希望がうち砕かれ世界がすっかり変わってしまった感じでした。これまで安定・安全・安心と考えていたものが根底から揺らいでし まいました。アフガン、中近東はその渦中にあり、平和を祈りながらもこれから世界がどうなっていくのか不安が募ります。
しかし、世界は動き続け、人には仕事があり、生活があります。それぞれに現実があり、現実に向かい合って生きて行くしかありません。私の場合、 ICUの秋学期に新しい科目2つと実験科目を担当し、あっと言う間の3ヶ月間でした。しかし、それは学生との新たな出会いの時でもありました。今また冬学 期と新年の課題を前にして、自分が今できること、これからすべきことは何なのかを考え祈りながらクリスマスを迎えようとしています。
「すべての人を照らすまことの光があって世に来た」(ヨハネ1:9)
よいクリスマスを!
主にありて平和を祈りつつ
吉野輝雄、純子